2.事業計画書には何を書けばいいの?
前回記事でお話した事業再構築類型のどれに該当するのか、要件はみたしているのかが明確になり、必要書類の準備や認定支援機関のアサインに目処がついたところで、いよいよ事業計画書の作成に入ります。補助金申請が初めての方は、何を書いたらよいのか見当がつかないかもしれません。事業再構築補助金では、国からフォーマットが開示されていますので、まずはこちらを確認してみましょう。ダウンロードしたファイルの内容は、多くが電子申請の入力項目が書かれていますので、事業計画書に必要な要素をピックアップします。
補助事業の具体的な内容
1:補助事業の具体的取組内容
作成された事業計画書を、メインメニューのB.提出書類添付画面で添付してください(補足図表を含む)
事業再構築要件について
選択した事業再構築の類型について、「事業再構築指針」に定める該当要件を満たすことを、「事業再構築指針の手引き」も参考としながら示してください。この内容をもって公募要領「4.補助対象事業の要件」の事業再構築要件に該当するかを判断します。記載の方法については、「事業再構築指針の手引き」の「要件を満たす例」を参考にしてください。
なお、同様の要素をその他の事業計画書の記載において繰り返しお示しいただくことは問題ございません。
2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)
作成された事業計画書を、メインメニューのB.提出書類添付画面で添付してください(補足図表を含む)
3:本事業で取得する主な資産
本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、分類、取得予定価格等を記載してください。
4:収益計画
メインメニューのB.提出書類添付画面でも収益計画の算出根拠を添付してください。
大枠の骨子としては至ってシンプルで、この4項目の構成で事業計画書を組み立てていくのがよいです。特に、「1:補助事業の具体的取組内容」のところで、『選択した事業再構築の類型について、「事業再構築指針」に定める該当要件を満たすことを、「事業再構築指針の手引き」も参考としながら示してください。』とわざわざフォーマットの中に書かれています。いくら素晴らしい事業計画を立てても、国が定める補助金である以上は要件に適合していることが客観的に判断できないと評価されないのです。ですので、ここは明示的に言語化して、誰が読んでも要件に適合していることを、必ず説明するようにしましょう。
それぞれの4項目について、まだ漠然としてよく分からないかと思います。各項目を階層化して、取り組もうとしている事業内容や将来展望、収益計画などを、読み手に正しく伝わるようにプロットしていくことが必要です。どのように階層化してプロットしていくのかは次項で一例をお話しますが、共通の指標としては、公募要領が示している審査項目があります。第10回公募から枠が新設されたため、審査項目のボリュームはかなり増加していますので、詳細は公募要領のP.45~47をご参照ください。
おそらく、事業再構築補助金の審査員は、この審査項目を指標として事業計画書を評価し、点数化、コメント付与を行っていると予想されます。事業計画書の全体にわたり、審査項目を抑えた書き方になっているか、審査項目に適った事業内容なのかをチェックしながら作成することをお勧めします。ストレートに審査項目を解釈すると、必ずしも事業内容に合致しないこともあるかと思いますが、1点でも審査ポイントを増やすために多少強引にでも結びつけることが必要です。もちろん、嘘を書いてはいけませんが、「採択されるため」と割り切って、事業再構築補助金の目指しているところを汲み取りながら、自社事業との関連性を探って結びつけていくことが肝要です。その際、認定支援機関と膝を突き合わせて相談して、双方で知恵を絞りながら審査員の琴線に触れる事業計画書を作成しましょう。