事業再構築補助金を活用して、思い描いていた新規事業にチャレンジ!!(2)

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2023年06月23日
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事業計画書はどう書けばよいの?

みなさん、こんにちは。参謀ドットコム 中小企業診断士の鳥山直樹です。
事業再構築補助金の第10回公募が6月30日で締め切られました。私自身も事業者様をご支援する機会がありましたが、今回からの新設枠はけっこう苦戦しました。。申請された皆様はいかがでしたでしょうか?無事に申請完了した方は一安心しつつ、採択後を想定して事業の準備を進めるのがよいでしょう。申請を検討したけど、今回は時間の関係で見送った、という方もいらっしゃるかもしれません。要件は満たしていて申請はできそうなものの、残念ながら見送った方は、ぜひ次回の第11回公募でチャレンジしていただきたいです。

さて、前回記事では制度のことから、申請に必要な書類についてお話させていただきました。書類は揃いそうだと目処が付いた段階で、いよいよ事業計画書の作成に入っていくかと思います。補助金申請において、事業計画書は最も重要な書類になります。審査員はこの事業計画書を読み込んで、補助事業の良し悪しを判断します。ですので、今回は事業計画書の書き方にフォーカスしてお話します。

1.認定経営革新等支援機関や金融機関はどう探す?

事業再構築補助金の共通要件として、認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)による確認要件があります。作成した事業計画を、国が認定した支援機関によって公的に確認してもらう必要があります。また、補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関(銀行、信金、ファンド等) の確認も必要です。金融機関が認定支援機関を兼ねる場合は、金融機関の確認のみで構いません。事業計画を全て事業者自身で作成したとしても、第三者である認定支援機関の公的な確認が必要なのです。

事業計画の作成にあたり、中小企業診断士をはじめとする専門家や、コンサルティング会社、金融機関などの支援を受ける事業者もいらっしゃると思いますが、支援者が認定支援機関であれば、公的な確認、つまりは確認書の発行も依頼できるかと思います。ただ、お付き合いのある専門家や企業が事業計画の作成支援はできても、認定支援機関でない場合は確認書の発行ができないため注意が必要です。また、そもそも補助金申請自体が初めてで、専門家とのお付き合いがない場合など、認定支援機関をどう探してよいか分からないという方もあると思います。
認定支援機関を探す方法の1つとして、中小企業庁が運営する「認定経営革新等支援機関検索システム」があります。このサイトにアクセスすると、「都道府県から探す」というページが開きますので、ご自身の属する都道府県等から検索するとよいでしょう。ただ現在は、コロナ禍の影響でWeb会議が定着していますので、リモート対応可能な認定支援機関も多いと思います。認定支援機関の選択において地域の制限はありませんので、例えばお知り合いから紹介を受けた認定支援機関が他県であっても、お互いにリモート対応が可能であれば問題はありません。なお、この検索システムによる検索結果には、事業再構築補助金における実績数も表示されますので、選択する際の判断基準にされるとよいと思います。

ただ、どの認定支援機関を選択するにしても、確認書の発行に至るまでには必要書類を準備し、事業計画書を作成、確認するプロセスは必ず発生しますので、応募締切日から逆算して、十分な日数を確保できるよう留意が必要です。
ちなみに、参謀ドットコムを運営する株式会社Miraileは、認定支援機関として登録されていますので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

 

2.事業計画書には何を書けばいいの?

前回記事でお話した事業再構築類型のどれに該当するのか、要件はみたしているのかが明確になり、必要書類の準備や認定支援機関のアサインに目処がついたところで、いよいよ事業計画書の作成に入ります。補助金申請が初めての方は、何を書いたらよいのか見当がつかないかもしれません。事業再構築補助金では、国からフォーマットが開示されていますので、まずはこちらを確認してみましょう。ダウンロードしたファイルの内容は、多くが電子申請の入力項目が書かれていますので、事業計画書に必要な要素をピックアップします。

補助事業の具体的な内容

1:補助事業の具体的取組内容
作成された事業計画書を、メインメニューのB.提出書類添付画面で添付してください(補足図表を含む)
事業再構築要件について
選択した事業再構築の類型について、「事業再構築指針」に定める該当要件を満たすことを、「事業再構築指針の手引き」も参考としながら示してください。この内容をもって公募要領「4.補助対象事業の要件」の事業再構築要件に該当するかを判断します。記載の方法については、「事業再構築指針の手引き」の「要件を満たす例」を参考にしてください。
なお、同様の要素をその他の事業計画書の記載において繰り返しお示しいただくことは問題ございません。

2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)
作成された事業計画書を、メインメニューのB.提出書類添付画面で添付してください(補足図表を含む)

3:本事業で取得する主な資産
本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、分類、取得予定価格等を記載してください。

4:収益計画
メインメニューのB.提出書類添付画面でも収益計画の算出根拠を添付してください。

大枠の骨子としては至ってシンプルで、この4項目の構成で事業計画書を組み立てていくのがよいです。特に、「1:補助事業の具体的取組内容」のところで、『選択した事業再構築の類型について、「事業再構築指針」に定める該当要件を満たすことを、「事業再構築指針の手引き」も参考としながら示してください。』とわざわざフォーマットの中に書かれています。いくら素晴らしい事業計画を立てても、国が定める補助金である以上は要件に適合していることが客観的に判断できないと評価されないのです。ですので、ここは明示的に言語化して、誰が読んでも要件に適合していることを、必ず説明するようにしましょう。
それぞれの4項目について、まだ漠然としてよく分からないかと思います。各項目を階層化して、取り組もうとしている事業内容や将来展望、収益計画などを、読み手に正しく伝わるようにプロットしていくことが必要です。どのように階層化してプロットしていくのかは次項で一例をお話しますが、共通の指標としては、公募要領が示している審査項目があります。第10回公募から枠が新設されたため、審査項目のボリュームはかなり増加していますので、詳細は公募要領のP.45~47をご参照ください。
おそらく、事業再構築補助金の審査員は、この審査項目を指標として事業計画書を評価し、点数化、コメント付与を行っていると予想されます。事業計画書の全体にわたり、審査項目を抑えた書き方になっているか、審査項目に適った事業内容なのかをチェックしながら作成することをお勧めします。ストレートに審査項目を解釈すると、必ずしも事業内容に合致しないこともあるかと思いますが、1点でも審査ポイントを増やすために多少強引にでも結びつけることが必要です。もちろん、嘘を書いてはいけませんが、「採択されるため」と割り切って、事業再構築補助金の目指しているところを汲み取りながら、自社事業との関連性を探って結びつけていくことが肝要です。その際、認定支援機関と膝を突き合わせて相談して、双方で知恵を絞りながら審査員の琴線に触れる事業計画書を作成しましょう。

 

 

3.事業計画書プロットの例

私自身の経験で恐縮ですが、様々な形で事業計画策定の支援に携わるなかで、事業計画書へのアウトプットは支援する側のチームや個人によって形が違っていました。文章と図表・画像を適度に組み合わせ、熱く訴求するところでは力強いフレーズや文章で語ったり、ロジカルに図式を入れたりする形もあれば、文章は極小化してできるだけ表形式で端的な文章と画像やグラフを駆使する形もありました。事業再構築補助金のホームページにある「補助金交付候補者の採択事例紹介」を見ても、千差万別です。

ですので、審査項目をしっかり押さえつつ、事業内容に照らして最も訴求力のある手法を、認定支援機関の協力の下で模索しながら見出していただきたいと思います。実際に、私が使っているフォーマットの一部をお見せしますので、事業計画書のフレーム作成の参考になれば幸いです。なお、第10回公募より表紙の作成が義務付けられましたので、そちらも付加したものをお見せします。

≪事業計画書フォーマット≫※表紙とI:補助事業の具体的取組内容まで

 

こんな形のフォーマットを事前に用意しておいて、支援先の業種、事業内容と、申請枠や事業再構築類型によって項目の過不足を調整していきます。これらの階層化した項目は、審査項目を網羅できるように考察したものです。基本的にはこのフレームに沿って作成することで、審査項目の意識しながら事業内容のアウトプットを行うことができるので、審査項目の抜け漏れがなくなります。
このフォーマットは一例に過ぎませんが、この記事を読んでいただいている事業者様や支援者様の参考になれば幸いです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、以下についてお話したいと思います。

・どんな事業計画が採択されるの?

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