3.融資活用に向けた対応
(ア)保証制度の利用
保証制度とは金融機関が中小企業に融資を行う際に、一定の割合まで保証協会が保証する制度です。具体的には、中小企業向け融資において、返済が滞った場合に保証協会が代わりに返済をすることで、金融機関に対するリスクを軽減することができます。金融機関目線で担保不足を解消することで、中小企業は融資を受けやすくなります。ただし、保証協会による保証審査があること、融資金額に対して一定割合(審査により決定)の保証料支払負担が発生すること等に留意する必要があります。
(イ)事業計画の策定と着実な実行
事業計画とは事業計画とは、融資を利用して事業を拡大するための具体的な目標や計画をまとめたものであり、返済計画やリスク管理策なども含みます。金融機関は、事業計画の具体性や実現可能性を評価し、融資の承認を決定します。
事業計画を策定し金融機関へ提出することで、資金調達の目的・具体性、返済の蓋然性を高めることができます。ただし、事業計画は立てるだけでなく、計画に基づき実行することが肝要です。実行管理体制を整えることも中小企業にとって重要な取り組みとなります。
(ウ)資金繰り管理体制の強化
資金繰り表を作成して定期的に更新し、近い将来(1年間程度)の予測を立てて実績がどうであったかを予実管理をしていくことで、自社の短期安全性をウォッチすることができると同時に、財務管理能力を証明することで金融機関に対する信用力を高めることができます。
信頼関係を構築することも重要であり、金融機関とのコミュニケーションを密に行うことが望ましいです。一例として以下が挙げられます。
(ア)試算表等を定期的に提出する
試算表等の財務状況を定期的・自発的に提出・報告することにより、金融機関への信用力が高まります。
(イ)ビジネスの進捗状況の報告
ビジネスの進捗状況を報告することで、事業計画に対する支援を受けられる可能性が高まります。売上高、経費、利益率などの数値的な情報だけでなく、取り組んでいる課題や今後の展望なども報告すると、金融機関との信頼関係を構築することができます。